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調査の目的・意義


 「エネルギーと原子力に関するアンケート」調査は、エネルギーや原子力に関する世論の動向を学術的に調査・分析するため、継続的かつ定期的に調査を実施することを目的として実施しています。調査は、2006年度から2011年度は日本原子力学会「マスメディア報道と原子力世論に関するデータベース構築と拡充」特別専門委員会(以降、マスメディア等委員会)が、2012年度は日本原子力学会「市民および専門家の意識調査・分析」特別専門委員会が、それぞれ主体となって実施しています。

 具体的には以下のような意義のもとに調査を開始しました。
  • 学術的に調査・分析する継続的な世論調査であること。
  • 日本原子力学会の資産でもある学会員を有効活用して調査を実施するによって、専門家の原子力に対する考え方を世間に示すひとつの機会とすること。
  • 市民と専門家の違いを浮き彫りにし、市民が専門家を知る機会とすると同時に、専門家の冷静な自省を促すこと。
  • 市民に対する調査結果の公開を念頭に置き、アンケート調査を実施すること。特に、マスメディアへの対応も検討すること。


調査の全体概要


 社会と原子力との関係性を論じるために、市民の原子力に対する認識を測ろうとする調査や研究は数多く行われてきました。そして、これらの調査や研究から、原子力に関する有用性や不安感、信頼などが重要な心理的要因となることがわかってきています。また、原子力が社会に受け入れられるかどうかについて論じる際には、専門家と非専門家との認識ギャップも重要な論点となります。
 そこで、マスメディア等委員会では、これらの心理的要因を測るための質問を組み込んだ調査票をつくり、一般の人々として首都圏住民と、専門家として原子力学会員を対象に、継続的な調査を実施して、経年的な意識の変化と専門家-非専門家間の認識ギャップを測定しています。この「エネルギーと原子力に関するアンケート」調査は2006年度から始まりました。下の表には、今までに実施した調査の概要を示しています。

首都圏調査 原子力学会員調査
対象 首都圏30km圏内住民 日本原子力学会員
方法 割り当て留め置き法 1,400名を無作為抽出し、郵送法
実施時期 2006年度 第1回 2007年1月
2007年度 第1回 2007年5月 第2回 2008年1月
2008年度 第2回 2008年12月 第3回 2008年12月
2009年度 第3回 2010年1月 第4回 2010年1月
2010年度 第4回 2011年1月 第5回 2011年1月
2011年度 第5回 2012年1月 第6回 2012年1月
2012年度 第6回 2013年1月 第7回 2013年1月
2013年度 第7回 2014年1月 第8回 2014年1月
回収数(回収率) 500 第1回 559(39.9%)
第2回 591(42.2%)
第3回 611(43.6%)
第4回 625(44.6%)
第5回 624(44.6%)
第6回 611(43.6%)
第7回 559(39.9%)
第8回 558(39.9%)
※ 2006~2011年度の調査は、マスメディア等委員会が原子力安全基盤機構の受託により実施したものです。また、2012年度の調査は東京大学が文科省より受託した研究業務から、2013年度の調査はNPO法人パブリック・アウトリーチが文科省より受託した研究業務から日本原子力学会の再委託により実施されたものです。詳細は「「原子力ムラ」の境界を越えるためのコミュニケーション・フィールドの試行」に関するページ(http://www.ponpo.jp/forum/)へ。


関連論文等


  • 木村 浩、福島原発事故以降、首都圏住民と原子力学会員の原子力に対する認識ギャップはどうなったのか?、日本原子力学会誌アトモス54(9), 606-610, 2012.
  • 木村 浩、首都圏住民と原子力学会員との間にある原子力に対する認識のギャップとは、日本原子力学会誌アトモス51(9), 683-685, 2009.